スタミナの土台づくりのために避けては通れない「ロング走」で期待できる5つの練習効果
夏場にこそオススメのロング走
フルマラソンで42.195kmを走りきるために最も大切な事は、長い距離・時間を走りきるためのスタミナを強化する事。
そのスタミナを強化するための練習方法にはいろいろなメニューがありますが、やはり長い時間・距離を走り続ける練習から避けて通る事はできません。
長い距離・時間を走り続けるなら、できればペース感覚を身につけるためにも、フルマラソンでの目標ペースで走っておきたいところ。
ただフルマラソンの目標ペースはそれなりにきついペースで、残暑の厳しい今の時期には少し過酷すぎます。
そんな残暑の厳しい今の時期の、スタミナ強化メニューとしてオススメなのがロング走。
ロング走は先日の記事でも書かせていただきましたが、フルマラソンのレースペースより10〜20%前後遅いペース、いわばジョギングペースで1時間半以上続けて走る練習です。
ロング走の練習効果
ロング走はそれなりに余裕があるペースで長く走理続ける練習。
・・・だからこそ見込める下記のような練習効果があります。
1.心筋の強化
心筋(心臓の筋肉)は血液を身体全身に行き渡らせるポンプのような役割を果たす重要な筋肉で、。
この心筋はダニエルズのランニング・フォーミュラ 第3版によると、最大心拍数の60%前後の時に、最も活発に収縮すると書かれています。
この最大心拍数の60%前後の負荷で走る練習が、実は今回紹介しているロング走。
ロング走を実施すると心臓が活発に、しかも長い時間収縮し続けるため、心筋(ポンブ機能)の強化につながり、1回の拍出でより多くの血液を全身に送り出してくれるようになります。
2.毛細血管を広げる
毛細血管とは筋肉の隅々まで酸素を行き渡らせる役割を担う細い血管の事で、広がれば広がるほど全身でエネルギーが生み出されやすくなります。
毛細血管は筋繊維に刺激を与え続けた時間が多ければ多いほど、より広がっていきます。
中でも長く走り続けるロング走では、長時間にわたり筋繊維に刺激を与え続けられるため、毛細血管を広げるためにも最適のメニューと言えます。
3.遅筋の強化
遅筋とは長時間にわたり力を維持する筋肉で、マラソンのような長い時間筋力を維持し続けるスポーツにおいてはかなり重要な筋肉。
この遅筋は有酸素運動など、ある程度余裕のある負荷のトレーニングによって強化されます。
中でもロング走は長時間にわたり遅筋に刺激を与え続けられる分、遅筋の強化にも最適のスポーツと言えます。
4.長い距離を走ることへの慣れ
マラソンはメンタル面がかなりものを言うスポーツですが、多くの方が持ってしまいがちなのが「距離への不安」。
特に普段の練習で走らないような未知の距離を走る際は、距離への不安がより大きくなってしまいます。
不安を持つこと自体は誰もがある事で、悪いことばかりでもないのですが、不安が大きすぎると、パフォーマンスの低下などにつながってしまいます。
ただロング走である程度長い距離を走り込んでおく事ができれば、長い距離を走っているからこそ起こりうるトラブルなども経験でき、メンタル的に長い距離を走ることへの慣れを作ることにもつながります。
5.グリコーゲン貯蔵能力と脂肪利用効率の向上
先日の記事で紹介させていただいたグリコーゲンを貯蔵しやすい、脂肪を効率的に利用できる身体づくりは、アドバンスト・マラソントレーニングによると総トレーニング量によっても左右されます。
フルマラソンでの失速の大きな要因となる「グリコーゲン」に関する話
フルマラソンでの失速を予防するために大切な「脂質」に関する話
そのため最も多くの練習量を取りやすいロング走は、グリコーゲンを貯蔵しやすい、脂肪を効率的に利用できる身体づくりにおいても大きな効果が期待できます。
残暑きつい間にロング走でスタミナの土台を作ろう!
上記の他にも多くの効果が見込めるロング走ですが、ロング走で得られる効果は、スタミナの土台づくりのために必要な能力ばかり。
逆にこのロング走をおろそかにしてしまっては、本科的なマラソントレーニングに突入して行った時に、スタミナの土台ができていない可能性大。
スタミナの土台ができていないとどのようなランナーであっても、満足いく練習ができなくなる可能性が高く、また故障の大きな要因にもつながってしまいます。
長く余裕あるペースで走るロング走るは地道な努力が必要なメニューですが、その効果は十分すぎるものがあるという事で、残暑厳しい今の時期こそロング走を積極的に取り入れてみてください!
今回の記事で参考にさせていただいた書籍
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合同会社ランシスの運営を通じて「ランウォーク」×「ツーリズム」の掛け合わせ「ランウォークツーリズム」による、三重を走り歩く新たなモチベーション創りを模索しています。
またランニングコミュニティ「セカンドウィンド四日市」の運営や、三重県ウオーキング協会事務局長として広報等を担っています。