世界最高の中長距離コーチと言われる故アーサー・リディアード氏が基礎理論を完成させた過程は?
マラソンをはじめとした陸上長距離界には数多くの名指導者と言われる方がいらっしゃり、それぞれの指導者の方々が独自の強みを持つ理論に基づいて、日々ランナーの指導・育成を行っていらっしゃいます。
そんな名指導者の方々のほとんどが影響を受けていると言われているのが、今は亡きアーサー・リディアード氏(1917-2004)。
リディアード氏は多くのオリンピックメダリストの指導に携わり「世界最高の中・長距離コーチ」とまで言われた人物で、2004年にクリニック中に倒れて87歳で亡くなられるまで、常にランニング指導の第一線で活躍されました。
そのリディアード氏の教えは、今も全く色あせる事なく、私自身も多くの事をリディアード氏の著書より学ばさせていただいています。
そこで今回の記事では今も多くのランニング指導者、そしてランナーに大きな影響を与え続けているアーサー・リディアード氏について詳しく見ていきたいと思います。
自分の健康状態を心配して実験をスタート
リディアード氏はもともとフットボールを楽しみながら、たまに思いついては行き当たりばったりの練習で陸上競技の試合に出ていただけだったそうです。
そんなリディアード氏ですが1945年、20代の後半に差し掛かるに当たって自分に思ったより体力がない事に気づき、自分の10年、20年後を心配してランニングトレーンングに関する実験を始めたようです。
自身の走りでトレーニング方法を実験
リディアード氏は当初自分だけを実験台にしていたようですが、徐々に彼のしている事に京味を示す若いランナーが現れ、約10年以上実験が続いたようです。
リディアード氏は実験の成果を確かめるために、自ら積極的にレースに参加して、全くの無名ランナーから地方代表のクロスカントリー選手、そして国内選手権に挑戦するほどの選手に成長していったようです。
トレーニング方法を進化させ究極の基礎理論を完成
ただしリディアード氏はそのくらいの成果では満足せず、レースの結果から自身のトレーニング方法の欠点を見つけては日々改善。
徐々にトレーニングパターンを進化させ、のちに多くのランナーに影響を与える究極の基礎理論を生み出しました。
その基礎理論とは少しきついくらいのペースを維持して長く走り続ける練習で効果的にスタミナを強化して走る土台をしっかりと作った後に、集中的にスピード強化を行うというもの。
その理論は今も多くの指導者が参考にするところとなっています。
まとめ
リディアード氏は子供の頃から陸上競技に携わっていたわけでなく、自分の健康状態を心配して、トレーニングに関する研究を始めたという点においては、今の私と共通するところです。(研究の成果にはかなりの開きがありますが・・・)
さらに自分のトレーニング理論を、自分の走りで実践していく中で洗練していった点についても、今の私と共通するところです。(レースの結果については比べる必要もないほどの開きがありますが・・・)
リディアード氏が究極の理論を完成させて一番の要因と私が個人的に思っているのは、常に現状に満足せず、自分の身体を追い込んでまで走り込んでいくなかで、トレーニング理論を進化させ続けていったところ。
リディアード氏はかなりの完全主義者であったようです。
その成果に妥協することなく多くの改善、進化を続けて完全を求め続けた結果が、自分の体力増進を目的とした実験から、今も多くのランナーに信奉される理論の完成につながり、「世界最高の中・長距離コーチ」とまで言われるようになったと思っています。
自分自身も自己ベスト更新のために走り続ける市民ランナーであると同時に、チームメンバーをはじめとして多くの地元ランナーの指導にあたらさせていただいている以上は、リディアード氏の姿勢を見習って、常にトレーニング理論を洗練させていきたいものです!!
アーサー・リディアード氏の代表作
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合同会社ランシスの運営を通じて「ランウォーク」×「ツーリズム」の掛け合わせ「ランウォークツーリズム」による、三重を走り歩く新たなモチベーション創りを模索しています。
またランニングコミュニティ「セカンドウィンド四日市」の運営や、三重県ウオーキング協会事務局長として広報等を担っています。