リディアードのランニング・バイブルに学ぶスタミナ強化トレーニング
こんにちは。四日市のマラソンチーム「セカンドウィンド四日市」代表兼ランニングコーチのらんしす@多田夏彦です。
マラソンを走りきるために最も重要となるのは、長い距離を走りきるためのスタミナを強化することであるという事に反対される方はそれほど多くないと思います。
ただ実際そのスタミナを強化するためにどのようなトレーニングをすればいいかという事になってくると、指導者によって大きく異なってくるというのが事実で、どの意見を参考にすればいいかわからなくなってしまう方も多いと思います。
せっかく走るのであれば、効率よくスタミナを強化していきたいというのは、おそらく誰もが考えるところでは?
そこで今回の記事では数多くいらっしゃる指導者の中でも、世界一のランニングコーチとまで言われた故アーサー・リディアード氏のスタミナ強化のためのトレーニング方法について見ていく事で、効率よくスタミナを強化するための方法についてのヒントを見つけていきたいと思います。
最優先で実施すべき「マラソンコンディショニング・トレーニング」
先日の伝説のランニングコーチ・故リディアード氏に学ぶ生理学に裏づけられたトレーニング理論の記事でも書かせていただいたとおり、リディアード氏はすべてのトレーニングでまず最初に取り組むべきトレーニングとして有酸素能力強化、いわばスタミナ強化を主な目的とした「マラソンコンディショニング・トレーニング」を挙げています。
リディアード氏の理論ではしっかりとしたスタミナがついてからでないと、他にどのようなトレーニングをしても十分な効果は見込めないとしています。
「マラソンコンディショニング・トレーニング」とは
マラソンコンディショニング・トレーニングとは、リディアードのランニング・バイブルによると、「走り終えたとき、心地よく疲れているが、もう少し速く走ろうと思えば走れたと感じるペース」で走る練習。
このペースは普段のジョギングより速く、インターバルやペース走などのスピード練習のペースよりは余裕のあるペースと解釈すればよさそうです。
最初は時間を基準に走る
<リディアードのランニング・バイブルではマラソンコンディショニング・トレーニングを実施する際には、距離ではなく時間を基準にすると書かれています。
理由は時間に基づいて走ったほうが、ランナーそれぞれの走力に見合った距離を走れるため、より良い結果が得られる事にあるようです。
また距離を基準に走ると、どうしても前回より速く走ろうとタイムへのプレッシャーがかかってしまいますが、時間を基準とするとそのようなプレッシャーから解放され、自分の身体の反応に従うことで、より効果的なトレーニングができるとも書かれています。
走る距離は週間160km?
リディアードのランニング・バイブルによると、ランニングで最も効率よくスタミナをつける方法は週160キロ、「走り終えたとき、心地よく疲れているが、もう少し速く走ろうと思えば走れたと感じるペース」で走ることにあると言われています。
さらに余裕のあるペースで走るジョギングを補助的に行うことで、疲労回復を早め、さらなる有酸素能力の底上げにもつながるとされています。
週160キロと言えば、1日22キロ以上走らなければならない事になり、さらにジョギングをプラスするとなると、市民ランナーには到底実行無理な数字と言えます。
ただしこの数字はあくまでガイドラインにすぎないので、ランナーそれぞれに合った体力や年齢などによって柔軟に変えていく必要があるとも書かれていますので、走る距離についてはランナー個別に走力やトレーニングにさける時間帯などを考慮した上で柔軟に設定していけばよさそうです。
レースが近づくにつれて距離を基準に走る
リディアードのランニング・バイブルによるとある程度のスタミナがついて、レース本番が近づくにつれて時間ではなく距離を基準に走る事をすすめています。
その理由はレース本番が近づいてくればくるほど、自分のペースを正確に確認する必要があり、またペースコントロール能力を高めるようにする事も大切であるからとされています。
道路を走る方がよい
リディアードのランニング・バイブルによると、マラソンコンディショニング・トレーニングはアスファルト舗装された道路で行う方がよいとされれいます。
その理由は道路の方が足が路面をとらえるグリップがよく、効率的に走れるようになる事で、効率よく心肺機能を発達させる事ができるようになるからとされています。
ただし道路を走る場合、シンスプリントなどの故障のリスクも高くなるため、クッションのしっかりしたシューズを履いて、ストライドを伸ばしすぎず、下り坂で飛ばし過ぎないなどの注意も必要となります。
楽しんで走れば走る距離は抑えなくていい
マラソンコンディショニング・トレーニングで走るペースは追い込むほどきついペースではなく、また余裕のあるペースで走るジョギングよりもむしろ快適に走れるペースと言えます。
そんなトレーニングを楽しんで行っている限りは、年齢などを理由に走り込みの距離を抑える必要はないとされています。
これは子供にとっても同じ事が言え、子供が望むようであれば、快適なペースで楽しみながらの長い距離の走り込みは有益であるそうです。
ここで大切になるのは「楽しみながら快適なペースを維持して長い距離を走る」というところ。
長い距離を走れば走るほどスタミナがついてくるのは当然と言えば当然ですが、何より楽しみながら、無理のないペースを維持して走り続ける事が、スタミナ強化に向けた一番の秘訣と言えそうです!!
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合同会社ランシスの運営を通じて「ランウォーク」×「ツーリズム」の掛け合わせ「ランウォークツーリズム」による、三重を走り歩く新たなモチベーション創りを模索しています。
またランニングコミュニティ「セカンドウィンド四日市」の運営や、三重県ウオーキング協会事務局長として広報等を担っています。