フルマラソンでネガティブスプリットをあまりおススメしない3つの理由
こんにちは。セカンドウィンド四日市代表の多田夏彦(@runsismie)です。
フルマラソンシーズンが近づくにつれて、多くの市民ランナーが迷うであろうことの一つが、レース本番でのペース配分。
ここ最近ではトップランナーの間では前半を抑えめに走って、後半にペースを上げていく「ネガティブスプリット」がよく言われているそうですが、個人的にはチームのメンバーをはじめ市民ランナーの皆さんにはあまりこのネガティブスプリットをおススメしていません。
と言いますのは、42.195kmという長丁場において、後半ペースを上げていくレース運びに大きなリスクがあると思っているからです。
そこで今回の記事では、私が市民ランナーの皆様にフルマラソンにおいてネガティブスプリットをあまりお勧めしない3つの理由について紹介していきたいと思います。
1.距離を重ねれば重ねるほど脚は動かなくなる
ランニング初心者のみならずほとんどの市民ランナーの方々は、走り進めていくうちに脚筋に乳酸などの疲労の原因を作るものがどんどん溜まってきてしまいます。
これはペースを速くしていてもゆっくり目にしていても同じことが言え、下手するとゆっくりペースで走る方が血液の流れがゆるやかになる分、身体から疲労物質が抜けにくくなってしまいます。
どれだけ呼吸が楽であっても、脚が動かなくてはペースアップはままならず、むしろ失速につながってしまう可能性も決して低くありません・・・
2.不測の事態に対応しづらい
フルマラソンでは途中で強い風が吹いたり、天候がいきなり変わってしまったりなどの外的要因に加えて、自分の身体に日常経験したこともない違和感や不調を感じたりと、どれだけ万全の準備を整えても不測の事態に遭遇する可能性は決して低くありません。
そんな不測の事態がネガティブペースで走っている途中で起こってしまうと、前半をペースを抑えて走っている分、下手にペースを落とすこともできず、ペースを無理に維持、もしくは上げようとしていく中で、想定外の体力ロスにつながってしまい、後半ペースを上げていくどころか失速してしまうパターンにもなりかねません。
3.気持ちがどんどん焦ってくる
市民ランナーの方が前半ペースを抑えめに走っていると、10キロ、20キロ、ハーフ地点と距離を重ねていくうちに、目標レースペースとの開きを感じ、気持ちが焦ってしまう可能性があります。
前もって前半の5キロ、10キロ、15キロといったポイントとなる距離におけるネガティブスプリットでの通過タイムをしっかりと設定していれば、それほど焦らなくてもいいのかもしれませんが、そこまで細かくペースを想定できる市民ランナーの方はそれほど多くないように思います・・・
またよほどその設定ペースで走れることに自信を持てていない限り、後半ペースを上げていく段階になって「後半本当に設定ペースまで上げていけるか?」不安で気持ちがさらに焦ってしまい、中盤過ぎから必要以上にペースを上げてしまい、後半大失速につながる可能性も否定できません。
個人的なおススメはポジティブスプリット
上記のように今回の記事では市民ランナーの皆様にフルマラソンでネガティブスプリットがおススメできない3つの理由について書かせていただいたわけですが、実際のところ私の周囲にいらっしゃる市民ランナーの方々でネガティブスプリットで好記録が出たという話はほとんど聞いたことがありません。
理想を言えば、前半から後半まで同じペースを維持して走るイーブンペースが理想ですが、よほど自分の適正ペースを把握できているランナーの方でない限り、ペースを保ち続けるというのはかなりの困難を極めるはずです。
そこで私が多くの市民ランナーの方々におススメしているのが、前半少し速めのペースで入って、後半わずかながら失速しながらも粘り切るポジティブスプリットによるレース運び。
その理由については、後日別の記事にて書かせていただきたいと思います!!
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合同会社ランシスの運営を通じて「ランウォーク」×「ツーリズム」の掛け合わせ「ランウォークツーリズム」による、三重を走り歩く新たなモチベーション創りを模索しています。
またランニングコミュニティ「セカンドウィンド四日市」の運営や、三重県ウオーキング協会事務局長として広報等を担っています。