フルマラソンで結果を出すために絶対に高めておきたいLTとは?
マラソンレースの結果を左右するLTとは?
マラソンではいくつかの要素をトレーニングで伸ばしていく必要がありますが、最も重要な値と言われているのが「LT」と言われるも。
ただこのLTというのは、なんとなくは理解できるけど・・・といった方も多く、なかなかその重要性を理解するのがむつかしいところではあります。
とはいえ、LTはフルマラソンで結果を出すうえで最も重要な数値と言われており、マラソンレースでのタイムアップを目指すなら、このLTについて詳しく知っておいて絶対に損はありません。
そこで今回の記事では、LTについて詳しく見ていきます。
LTとは
LTとはLactate Thresholdの略語で、「乳酸性作業閾値」=閾値(いきち)とも言われており、マラソンなどの時給系の運動で最も重要な数値と言われています。
ランニングではペースを上げていくと、徐々に乳酸が体内に生成されていきますが、一方で乳酸は筋肉、心臓、肝臓、腎臓などのエネルギーとしても活用されるため、ある程度余裕あるペースで走っている段階では、それほど筋肉内や血中に乳酸は蓄積されません。
ただある程度運動負荷(=ペース)を上げると、乳酸がエネルギーとして消費される以上に、筋肉内や血中で乳酸が生成されるようになり、乳酸の消費速度が追い付かなくなってしまい、一気に体内の乳酸濃度が高まってしまいます。
この急激に乳酸濃度が高まる境となる運動強度(=ペース)の事を「LT」と呼びます。
パフォーマンス低下の理由は乳酸ではなく・・・
乳酸自体は身体に悪さをしませんが、乳酸の生成に伴って生じる水素イオンが、エネルギーを造るために必要な酵素の活性を邪魔してしまい、このことがマラソンでの失速の最大要因になります。
また水素イオンは、カルシウムの取り込みも邪魔する事があり、筋肉の収縮の低下にもつながり、エネルギーをスムーズに産生できなくなるため、水素イオンが体内に蓄積されてしまうと。ペースを落とさざるを得なくなってしまいます。
つまり、いかにこの水素イオンを蓄積させないか、体内の乳酸濃度を上げすぎないか=「LTを高める」事が、マラソンレースでのパフォーマンスに直結する事になります。
LTを高める練習方法は?
LTは一般的なランナーで最大酸素摂取量の約75%~80%に相当し、日々鍛え上げているランナーだと80%超え、そしてエリートランナーだと90%近くになり、このLTが高いほど、体内に乳酸が蓄積されないうちに、最大酸素摂取量の大部分を活用する事ができるようになります。
このLTを高めるために重要なのが、LTに近いペースで、できれば40分以上の時間走る練習を取り入れていく事。
このLTに近いペースで走る練習の代表格と言えるのが、きついけど40分くらいの時間までなら走れるペースを一定に保ちながら走り続けるペース走。
また1㎞や2㎞などの距離をペース走と同様のペースで走るのと、200~400mのジョギングなどの休息を交互に繰り返すクルーズインターバルも、ペース走と同様の効果が期待できると言われています。
ペース走は一人で実施するにはかなりきつい・・・という方は、市民ランナーには非常に多く、そういう方にはクルーズインターバルの方が比較的取り入れやすいメニューと言えます。
いずれにせよLTを高めれば、今までの練習で培ったスタミナやスピードを最大限に生かせることは間違いありません。
これから本気でマラソンレースでのタイムを延ばしていきたい!・・・という方は、ぜひLTを高めるべく、積極的にペース走やクルーズインターバルを取り入れてみてください!
合同会社ランシスの運営を通じて「ランウォーク」×「ツーリズム」の掛け合わせ「ランウォークツーリズム」による、三重を走り歩く新たなモチベーション創りを模索しています。
またランニングコミュニティ「セカンドウィンド四日市」の運営や、三重県ウオーキング協会事務局長として広報等を担っています。