長い時間速いペースを維持して走り続けるために重要な「LT」とは?
こんにちは。セカンドウィンド四日市代表の多田夏彦(@runsismie)です。
セカンドウィンド四日市の火曜夜練習会の主な練習目的は、長い時間速いペースを維持して走り続けるためのスピード持久力強化。
特にレースが近づいたタイミングにおいては、特に長い時間走り続ける事のできるペースの底上げができる「テンポ走」を重点的に行っていこうと考えています。
そのテンポ走で重要なのは、LTペースを維持して走り続ける事なのですが、LT(閾値)といってもイマイチよくわからない方は多いのでは。
そこで今回の記事では「LTとは何か?」ということについて見ていきたいと思います。
LTとは
LTを知る上で抑えておきたいのは下記の3つです。
・LTとは血中乳酸濃度が急上昇するポイントのこと
・LTペースとはレース本番で1時間走り続けられるペースが目安
・LTを高めるにはLTペースを維持して走り続ける練習がベスト
その一つ一つを詳しく見ていきますと・・・
LTとは血中乳酸濃度が急上昇するポイントのこと
どのようなランナーであっても走り続けると、乳酸が体内で生成されています。
乳酸はエネルギー源ともなるため、その事自体は大して問題でないのですが、エネルギーとして消費される以上に乳酸が体内で蓄積されてしまうと、体内でよろしくない現象がいくつか起こってしまい、走りの大きな妨げとなってしまいます。
そんな乳酸の蓄積具合をはかる数値として、血中乳酸濃度があるのですが、この血中乳酸濃度はある程度余裕あるペースで走っている時はそれほど上昇しません。
・・・がある程度までペースを上げた段階で、急激に血中乳酸濃度が上昇するポイントがあります。
そのポイントのことを「LT=lactate(乳酸) thresholod(閾値)」と言います。
LTペースはレース本番で1時間走り続けられるペースが目安
LTペースとはLT値もしくはそれに近い値で走る事。
このLTペースは、一刻も早く終わって欲しいくらいきついけど、それなりの距離を走り続けられるペース。
・・・と言ってもイマイチピンとこない方は多いと思いますが、目安としてはしっかりとコンディションを整えたうえでのレースであれば、1時間ペースを維持できるペースとダニエルズのランニング・フォーミュラ 第3版には書かれています。
レースで1時間と言えば、キロ6分ペースで走る方なら10km、キロ4分ペースで走る方なら15km、そしてトップランナーであればハーフマラソンのレースペースくらいを目安にするとちょうどいいのではと思います。
LTを高めるにはLTペースを維持して走り続ける練習がベスト
LTを高めるためには、LTペースもしくはLTペースより1〜2秒くらい速いペースを、20分以上維持して走り続けるテンポ走やクルーズインターバルがベストです。
この時のペースはLTペースより遅すぎても乳酸があまり増えず、LTペースより速すぎても乳酸が急激に蓄積されてしまい、乳酸を蓄積させずに長い時間速いペースで走り続けるために必要なLTの上昇は見込めません。
あくまでLTペース(一刻も早く終わって欲しいくらいきついけど、それなりの距離を走り続けられるペース)を維持して、ある程度の長い時間走り続ける事が、LT向上の秘訣と言えます。
LTの向上はレース後半の粘りをつくります
LTを高める事ができると、より速いペースで長い時間にわたって走り続ける事ができるようになります。
このことは特にレースの後半の誰もがきつい局面でかなりのアドバンテージとなり、最後の最後での粘りにもつながります。
そんなLTを高めるために実施するLTペースで走り続ける練習は、一人で実施するにはかなりきつい練習となりますが、最初は短い時間からはじめて、徐々に走る時間を増やしていく事で、LTペースで走ることに身体を慣らしていきましょう!!
今回の記事で参考にさせていただいた書籍
ベースボール・マガジン社
売り上げランキング: 5,609
ベースボールマガジン社
売り上げランキング: 382,871
関連サイトはこちらから
セカンドウィンド四日市を運営する「らんしす」のホームページはこちら
セカンドウィンド四日市代表・多田の個人ブログはこちら
合同会社ランシスの運営を通じて「ランウォーク」×「ツーリズム」の掛け合わせ「ランウォークツーリズム」による、三重を走り歩く新たなモチベーション創りを模索しています。
またランニングコミュニティ「セカンドウィンド四日市」の運営や、三重県ウオーキング協会事務局長として広報等を担っています。